生理がとまらないです、なんとかしてださい!【過長月経】

結論ですが
・生理がとまらない場合は、まずは検査をして、生理がとまらない原因をさがして診断をします。そして原因におうじて治療をおこないます。

この記事は生理に関する症状で困っている女性向けに書いています。
女性の健康問題に関するさまざまな疑問などが解決できればとおもっています。

今回は生理がとまらない場合について説明していきたいとおもいます。

いつもは生理の量が少なくなってくる時期ですが、

・まったく量が少なくならずに生理が続いていたり
・量は少なくなるけど、長く生理が続いたり
・生理が長く続きすぎて、次の生理なのかわからなくなったり

することがあるかと思います。

とくに生理が8日以上つづく場合を「過長月経(かちょうげっけい)」とよばれます。

今回は、生理がとまらない場合、「過長月経」への対応を中心に説明していきたいと思います。

生理がとまらない場合、

「①まずは検査をして、②生理がとまらない原因をさがして診断をします。そして原因におうじて③治療をおこないます。」

①検査をする
②原因をさがして診断をする
③治療をする

という順番で説明していきます。

①検査をする

エコー
エコーで、子宮の状態や卵巣が腫れていないか確認します。

とくに…

「子宮内膜が厚くないか」
「子宮筋腫や腺筋症などの病変がないか」
「妊娠の可能性がないか」
「卵巣の腫れがないか」
※卵巣が腫れている場合、ホルモン産生腫瘍の可能性があります

などを確認します。

腟鏡診
腟鏡診では、腟鏡(クスコ)という器械をもちいて、子宮の入り口や腟内を観察します。
出血している部分がどこなのか、ポリープなど出血の原因がないかなど見て確認します。

血液検査
・ホルモン検査
女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」が規則的に変化をすることで、規則的に生理が来ています。
それらが乱れた場合、生理がだらだらと長くつづくことになります。
「エストロゲン」「プロゲステロン」や、それらを調整しているホルモンの値を血液検査で調べます。

・血液のかたまりやすさ
生理がとまらない原因として、出血しやすい状態になっていないか確認します。
血液検査をして、「血液のかたまりやすさ」「血液をかためる成分の異常」などを評価します。

・貧血の確認
生理が長くなり出血量がおおくなると「貧血」をきたします。
血液検査をして、「ヘモグロビン(Hb)」という値などをみて評価します。
成人女性の場合、だいたいの目安ですが「ヘモグロビン(Hb)」が11以下の場合を「貧血」と判断します。

がん検診
出血の原因として「がん」(悪性腫瘍)が隠れていることもあります。
うたがわしい場合は、子宮頸がんや子宮体がんの検査などもおこないます。

妊娠反応
妊娠にともなう出血がうたがわしい場合は、おしっこをとって妊娠検査をおこないます。
生理だとおもっていたら、じつは妊娠をしていて「妊娠の異常」にともなう出血だとわかることがあります。
とくに、生理がもともと不順であった場合や、生理がズレている場合は妊娠の可能性を念頭に入れます。

②原因をさがす

生理がつづく原因がないか検査をします。

過長月経の明らかな原因がわかれば、その治療を優先することになります。
まずはさきほど説明した検査を必要におうじて行って、過長月経の原因をさがしていきます。

婦人科疾患
エコーで、「子宮の病変」がないか確認します。
「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜ポリープ」「子宮頸管ポリープ」などがあります。

とくに子宮内膜が厚い場合は「子宮内膜増殖症」などの可能性があるため、子宮内膜の組織の検査(子宮体がんの検査にもなる)をおこないます。

また、出血の原因として「がん(悪性腫瘍)」が隠れていることもあります。
うたがわしい場合は、子宮頸がんや子宮体がんの検査などもおこないます。

うたがわしくない場合でも、20歳以上で定期的に子宮頸がん検診をしていないひとには、子宮頸がんの検査をすすめます。

↓↓リンク↓↓

「なぜ、産婦人科医はやたらと子宮頸がん検診をすすめてくるのか?」

妊娠の異常
生理だとおもっていたら、じつは妊娠をしていて「妊娠の異常」にともなう出血だとわかることがあります。
とくに、生理がもともと不順であった場合や、生理がズレている場合は妊娠の可能性を念頭に入れます。

うたがわしい場合は、おしっこをとって妊娠検査をおこないます。
妊娠の異常の出血原因として「切迫流産」「異所性妊娠」「胞状奇胎」などがあります。
このなかで「切迫流産」の頻度が多いです。
「異所性妊娠」は大量出血から命をおとす可能性があるため、見逃してはいけない疾患です。
「胞状奇胎」は妊娠成立において何かしらエラーによって、子宮内に病変をつくり、そこから出血してくる稀な疾患です。
子宮内容除去術をおこなって、治療するとともに、組織の検査をして診断します。

血液のかたまりやすさの異常
また、「血液のかたまりやすさの異常」によって、出血がしやすい状態のことがあります。
血液検査をして、「血液のかたまりやすさ」「血液をかためる成分の異常」などを評価します。
原因として、「白血病」「先天性血液疾患」「自己免疫疾患」などがわかることが、まれですがあります。

③治療をする

過長月経の明らかな原因がわかれば、その治療を優先することになります。

たとえば…

・子宮ポリープをみとめた場合はポリープ摘出術をおこなう
・異所性妊娠の場合は、手術などの治療をおこなう
・がんがみつかってしまった場合は、さらに追加の検査をおこない組織型や病変の広がりなどを評価してがんに対する治療を検討する

など対応していきます。

明らかな原因がみつからない場合は、症状を落ち着かせることを目標に対応していきます。

生理をおさえる方法として、「止血剤」「ピル」などの「くすり」をつかう方法、「子宮内膜掻把術」「子宮摘出術」などの「手術」などがあります。

まずはからだへの負担が比較的すくない「くすり」を使用することが多いです。
それでも効果がなければ手術を選択するというながれになります。

また、生理がずっとつづいて、生理の量も多すぎて、はやめに止めたい場合は、「子宮内膜掻把術」「子宮摘出術」などの「手術」を緊急でおこなうことがあります。

ピル
「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの成分をふくむくすりであるピルをつかうことがあります。
ピルにはいくつか種類がありますが、中等量ピルというものを使います。
この中等量ピルをつかって、厚くなった子宮内膜をはがして、生理の出血をおさえます。
つまり、中等量ピルを飲んでいる間は生理がとまります。
そして、飲み終わった2-3日後くらいに厚くなった子宮内膜がはがれて生理がきます。
すると、生理がだらだら続いていたものが止まります。

止血剤
出血をすくなくする効果があり、比較的副作用のすくないトラネキサム散という止血剤を使用することもあります。

手術
生理は、厚くなった子宮内膜がはがれ落ちてきて起こります。
エコー検査で子宮内膜が厚いことを確認した場合、生理がずっと続いて量がおおく早めに止めたいときには、厚くなった子宮内膜を掻爬する「子宮内膜掻把(そうは)術」がおこなわれます。

また、最終手段ですが、生理をおこす根本的原因である子宮をとる方法「子宮を摘出する手術」をえらぶことがあります。
これは、もう子供は十分にいて子宮はいらないから摘出したい場合や、閉経が近くなって生理がみだれてきて早く生理の症状から開放されたい場合などに選ばれます。

症状の重症度、患者さんのライフステージ、こどもの希望などさまざまな点を考慮して治療方針をきめます。

とくに、手術にはからだへの負担がかかるのと、手術リスクがつきものなので、しっかりと担当医と相談することが大切です。

まとめ

結論ですが
・生理がとまらない場合は、まずは検査をして、生理がとまらない原因をさがして診断をします。そして原因におうじて治療をおこないます。

生理がとまらない場合…

①まずは検査をします。
検査には「エコー」「腟鏡診」「血液検査」「がん検診」「妊娠反応」などがあり、必要におうじておこないます。

②原因をさがして診断をします。
原因には、「婦人科疾患(子宮の病変、がんなど)」「妊娠の異常」「血液のかたまりやすさの異常」などがあります。

③治療をおこないます。
明らかな原因がわかった場合には、その治療を優先しておこないます。
治療は、「ピル」「止血剤」、子宮内膜掻把術や子宮全摘出術などの「手術」などがあります。

症状の重症度、患者さんのライフステージなどによって治療をえらんでおこないます。

一番重要な点ですが、生理がとまらない場合は婦人科を受診して診察を受けましょう。

胎動が少ないですがどうすればいいですか?【胎動減少】

結論ですが

・胎動が少ない
・胎動をまったく感じない

場合には、かかりつけに連絡して受診の相談をしましょう。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

今回は、胎動について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・「胎動」とはおなかの中の赤ちゃんの動きのことで、赤ちゃんの元気さを反映します。
・胎動が少ない場合には、エコーやモニター検査で赤ちゃんが元気かどうか確認します。
・「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という報告があります。

・そして一番重要な点ですが、「胎動が少ない」「胎動をまったく感じない」場合には、かかりつけに連絡して受診の相談をしましょう。

そもそも胎動とは

おなかの中の赤ちゃんの動きを「胎動」といいます。

胎動は赤ちゃんの元気さを反映します。
赤ちゃんは、母親のおなかの中でいろいろな動きをします。

たとえば…

・手足をむずむず動かしたり
・キックやパンチをしたり
・からだをよじったり
・ぐるっと回転したり
・しゃっくりをしたり

さまざまな動きをします。

これらの赤ちゃんの動きを胎動というかたちで感じることになります。
胎動があるということは、赤ちゃんが元気である証拠でもあります。

胎動が少ない場合には

胎動が少ない場合は、赤ちゃんの具合が悪いサインであることがあります。
受診していただき、赤ちゃんが元気かどうか確認します。
エコー検査をおこなったり、モニターをおなかにつけて、赤ちゃんの具合を評価します。

エコー検査
おなかにエコーを当てて、「赤ちゃん」やそのまわりの「羊水」「へその緒」「胎盤」などを検査します。
「赤ちゃんの動き」「赤ちゃんの血流」「羊水量」などを検査して、赤ちゃんの元気さ具合を評価します。また、「胎盤」が剥がれているサインがないかも確認します。

モニター(胎児心拍陣痛図)
おなかに「赤ちゃんの心拍」と「おなかのハリ(陣痛)」を計測するモニターをつけます。
時間を追って赤ちゃんの心拍の変化をみることで、赤ちゃんの元気さ具合を評価します。
また、おなかが張っているか、張っていればハリと赤ちゃん心拍の関係性がどうか、陣痛はきているかなどもあわせて評価します。

胎動が自然に少なくなることもあります

本格的な分娩になるときに、赤ちゃんの頭が母親の骨盤にはまります。
その場合、胎動は自然と少なくなります。
これは、赤ちゃんの動きがなくなるといわけではなく、あくまで赤ちゃんの動きはあるが胎動として感じにくくなるためです。
ただし、胎動が少なくなるように感じますが、まったく感じないということはありません。

また、赤ちゃんはおなかの中で、起きたり寝たりを繰り返しています。
おおよそ20-30分という短い周期で、起きたり寝たりを繰り返しています。
もちろん寝ている時間は胎動が減ります。

胎動減少と赤ちゃんの異常

胎動が減少していた場合、赤ちゃんの具合が悪くなっている可能性がある「胎児機能不全」であることがあります。
その場合は、帝王切開などによって早めに赤ちゃんを出してやる必要があります。

とくに「常位胎盤早期剥離」というおそろしい疾患があるのですが、「胎動減少」はそのサインの一つと考えられています。

また、「胎動減少」は、赤ちゃんの腹痛をともなう疾患(絞扼性イレウス・腸重積・腸管破裂・胎便性腹膜炎など)、胎児神経筋疾患、胎児貧血との関連性が報告されています。

胎動カウントとは

妊婦さんがご自身で胎動を評価できる方法として「胎動カウント」というものがあります。

これは、胎動を感じたら、妊婦さんご自身で記録に残して胎動を評価するというものです。

具体的な方法はおもに以下の2つがあります。

時間内カウント法
ある一定時間の内に胎動を感じた回数を記録する方法です。
カウントする胎動が少ないほど、胎動は少ないと判断されます。

10回胎動カウント法:count to ten
胎動を10回感じるまでに要した時間を記録する方法です。
時間がかかるほど、胎動は少ないと判断されます。
10回の胎動をカウントするまでの平均時間は、妊娠末期で20-40分程度です。
簡便な方法のため、この「10回胎動カウント法」を用いることがおおいです。

胎動カウントの効果

「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という報告があります。
理由に関していうと賛否両論あります。

理論的には、「胎動が少なくなったときに受診していただき、赤ちゃんが具合が悪い状態が早期に発見できて、早期治療につながる」ということが考えられます。
しかし、実際にしらべてみると、そのような結果にはならなかったのです。

そして未だに、「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」原因がはっきりとわかっていません。

ただ、胎動カウントをおこなうことによって…

・妊婦さんが自分自身と赤ちゃんの健康に対して注意深くなる
・妊婦さんと赤ちゃんとのきずなが強まる
・妊婦さんと医師ふくめ医療スタッフとのコミュニケーションが円滑になる

などの効果もあります。

いろいろと議論がつきない「胎動カウント」ですが、
「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という事実はあるので、ぜひとも試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

赤ちゃんはおなかの中でさまざまな動きをします。
「胎動」とはおなかの中の赤ちゃんの動きのことで、赤ちゃんの元気さを反映します。

胎動が少ない場合には赤ちゃんの具合が悪い可能性があり、エコーやモニター検査で赤ちゃんが元気かどうか確認します。

「胎動カウントを用いることで死産率が低下する」という報告があります。

そして一番重要な点ですが、
・胎動が少ない
・胎動をまったく感じない
場合には、かかりつけに連絡して受診の相談をしましょう。

予定日は診察のたびに変わりますか?【予定日と妊娠週数】

結論ですが
・分娩予定日を一度決めたら変わらないです

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊娠をすると自分が今
「妊娠何週なのか?」
「妊娠何か月なのか?」
を、意識するようになることが多いかとおもいます。

そして、わが子がうまれるのがいつ頃になるのか「分娩予定日」が気になりますよね。
働いている人によっては、産休をとる兼ね合いもあって、分娩予定日を職場につたえなければいけない人もいるかとおもいます。

今回は、分娩予定日と妊娠週数について説明していきたいと思います。

この記事では、

・なぜ分娩予定日を決めておかなければいけないのか?
・分娩予定日はどのように決めるのか?
・そして一番重要な点ですが、分娩予定日を一度決めたら変わらない

ということについて説明していきたいとおもいます。

なぜ分娩予定日を決めておかなければいけないのか?

結論をいうと、分娩予定日をきめる理由は「基準」をつくるためです。
分娩予定日をきめることで「基準」ができます。

なぜ基準をつけらなければならないかというと、おもに3つの理由があります。

①今現在「妊娠何週なのか」「妊娠何ヶ月なのか」把握することができる。
②おなかの赤ちゃんの発育が順調かどうか評価することができる。
③妊娠週数によって重要な時期がありますが、それがいつなのか把握することができる。

①今現在「妊娠何週なのか」「妊娠何ヶ月なのか」把握することができる。
妊娠週数の計算については後ほど説明しますが、
「妊娠40週0日」となる日を「分娩予定日」ときめることで、今現在の妊娠週数がわかります。

そして、妊娠週数がわかると今「妊娠何ヶ月なのか」もわかります。
また、妊娠管理する上で大切な「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」なのかもわかります。

「週」と「月」の対応

表のように月と週数は対応しています。

妊娠0週0日から妊娠3週6日までを「妊娠1ヶ月」
妊娠4週0日から妊娠7週6日までを「妊娠2ヶ月」

妊娠36週0日から妊娠39週6日までを「妊娠10ヶ月」

と対応します。

妊娠週数と妊娠初期・中期・後期

なお、妊娠管理する上で妊娠期間を3分割しています。
これは、妊娠時期に応じて、妊婦さんの体の変化、胎児の変化、注意すべき点などが変わるので3分割して名前が付けられています。

 上の表のように妊娠週数におうじて、「初期」「中期」「後期」と区切られています。

つまり…

妊娠15週6日(妊娠4カ月)までを「妊娠初期」
妊娠16週0日(妊娠5ヶ月)から妊娠27週6日(妊娠7カ月)までを「妊娠中期」
妊娠28週0日(妊娠8ヶ月)から妊娠39週6日(妊娠10ヶ月)までを「妊娠後期」

 となります。

②おなかの赤ちゃんの発育が順調かどうか評価することができる。

分娩予定日という「基準」をきめることによって、「今現時点での妊娠週数」を把握することができ、おなかの赤ちゃんの発育が順調かどうか評価することができます。

具体的にいうと、今現時点での妊娠週数と、エコーで測定された胎児大きさを比べます。
つまり、「今現時点での妊娠週数で平均の赤ちゃんの体重」と「実際に測定された赤ちゃんの推定体重」を大きさ比較して、胎児が順調にそだっているかどうかを評価します。

妊娠週数の基準がないと、診察日の妊娠週数がわからなくなるため、今の胎児大きさが基準と比べて大きいのか小さいのか評価できなくなります。

③妊娠週数によって重要な時期がありますが、それがいつなのか把握することができる。

妊娠週数によって重要な時期があります。
たとえば、さきほど説明したように、妊娠管理する上で大切な「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」という時期の区切りがあります。

また、赤ちゃんが生まれた時期におうじて「早産」「正期産」「過期産」などの時期が決まっています。
なお、妊娠22週未満は「流産」の時期であり、赤ちゃんが出てきてしまった場合には一人では生きられないとされています。

他にも妊娠週数によって重要な時期があります。
その中の一部ですが「中絶」「過期産」について説明したいとおもいます。

中絶時期
万が一中絶を希望する場合、中絶可能な時期は「妊娠21週6日」までと決められています。
22週0日以降は児が一人で生きていけるとされており、中絶することはできません。
妊娠週数がきちんと定められていないと、その中絶可能な時期がいつまでなのか分からなくなってしまいます。

過期産
妊娠40週0日が分娩予定日にあたりますが、それをこえて妊娠42週0日以降に分娩となってしまうことを「過期産」といいます。
過期産になると様々な分娩リスクが上昇するため、その前に誘発分娩をすることが多いです。
過期産にならないように、分娩予定日をすぎたら、誘発分娩の時期を相談することが多いです。
妊娠週数がきちんと定められていないと、誘発分娩をする適切な時期がわからなくなってしまいます。

分娩予定日はどのように決めるのか?

分娩予定日は
①最終月経開始日から”仮”できめて、
②必要があれば分娩予定日を修正する

というながれでおこないます。

①まずは最終月経開始日から”仮”で分娩予定日をきめる
月経周期が28日型で、排卵周期も規則的に来ている人を想定します。
最期に生理が始まった日「最終月経開始日」を妊娠0週0日とします。
この日を基準にして、妊娠2週0日が「排卵日」、妊娠4週0日が「次の月経予定日」、そして妊娠40週0日が「分娩予定日」となります。
妊娠した場合は、この「次の月経予定日」に月経は来ないです。

実際には…

・予定日になっても月経が来ないな…
・最近、性行為を行ったから妊娠の可能性もあるかも…
・そういえば、体調がいつもと違うな

などで、妊娠したことに気づくことが多いです。

② 必要があれば分娩予定日を修正する
最終月経開始日を基準として、月経が規則的であることを前提にして、妊娠週数を数えます。
なので、「最終月経日からの想定される排卵日」が「実際の排卵日」とズレることもあります。
とくに、月経不順な女性の場合は「最終月経開始日から計算された”仮”の妊娠週数」と赤ちゃんの大きさにズレが認められることが多々あります。

「最終月経開始日からの”仮”の妊娠週数」と「赤ちゃんの大きさ」のズレが1週間以上あるようであれば、「赤ちゃんの大きさ」が妊娠何週なのか確認して、分娩予定日を計算してきめることになります。

また、不妊治療などをしていて、排卵日や胚移植日が特定できる場合には、排卵日や胚移植日を「妊娠2週0日」として分娩予定日を決定します。

 また、「最終月経を忘れてしまった場合」もしくは月経量が少なすぎなどで「いつ月経があったのか分からない場合」などでは、「赤ちゃんの大きさ」が妊娠何週なのか確認して、分娩予定日を計算してきめることもあります。

ちなみに、分娩予定日が決まるのは「妊娠7週から妊娠10週ころ」になることが多いです。
これは、赤ちゃんの「頭殿長」(赤ちゃんの座高みたいなものです)が14-41mmの時期に、予定日をきめるよう定められており、それがだいたい「妊娠7週から妊娠10週ころ」にあたるからです。

ただし、医療機関によっては、管理の関係で母子手帳をはやめに発行したいというところもあり、妊娠7週以前に分娩予定日をきめて母子手帳を発行するところもあります。

分娩予定日を一度決めたら変わらない

以上みてきたように分娩予定日は一度きめたら変えないです。

予定日が何回も変わってしまう場合は、基準がぶれてしまうため、

・赤ちゃんの発育がただしく評価できなくなる
・妊娠週数による重要な時期が、ころころ変わってしまう

などの問題がおこります。

なぜ、「分娩予定日は診察のたびに変わるのか」という疑問が生じるのか考えてみました。

おそらく分娩予定日が診察ごとにかわるのでないかとおもう理由として…

・妊娠のごく初期の最終月経から計算された”仮”の分娩予定日を、分娩予定日だと思っている可能性
・エコー写真に「赤ちゃんの推定体重」とともに、その体重から算出される「妊娠週数」と「分娩予定日」が記載されることがあり、それを分娩予定日だと思っている可能性

など考えられます。

いずれにせよ、分娩予定日は一度きめたら基本的に変えません。
是非ともおぼえておきましょう。

まとめ

なぜ分娩予定日を決めておかなければいけないのか?
それは、「基準」をつくるためです。
分娩予定日をきめることで「基準」ができます。
「基準」ができることで、
①今現在「妊娠何週なのか」「妊娠何ヶ月なのか」把握することができる。
②おなかの赤ちゃんの発育が順調かどうか評価することができる。
③妊娠週数によって「重要な時期」がありますが、それがいつなのか把握することができる。

分娩予定日はどのように決めるのか?
それは、
①最終月経開始日から”仮”の分娩予定日をきめて、
②必要があれば分娩予定日を修正する
というながれでおこないます。
なお、分娩予定日が決まるのは「妊娠7週から妊娠10週ころ」になることが多いです。

そして一番重要な点ですが、分娩予定日を一度決めたら変わらないです。

「さかご」といわれましたが大丈夫ですか?【骨盤位】

 妊婦健診では、毎回エコーで赤ちゃんの大きさや状態を確認します。
エコー検査で「さかご」と言われることがあるかと思います。

・そもそも「さかご」って何?
・ふつうはどうなっていればいいの?
・赤ちゃんってお腹の中でどういった状態なの?

といくつか疑問が出てくるかとおもいます。

週数が浅いと、「さかご」であることが多いですが、ある程度週数がたってから「さかご」だとわかると帝王切開での分娩になることもあります。

今回、「さかご」について説明していきたいとおもいます。

まとめ

・通常は赤ちゃんは頭が下の状態の「頭位」です。その逆の頭が上でおしりが下の状態を「骨盤位」(さかご)といいます。

・自然に「頭位」になることが多いですが、分娩時期ちかくに「さかご」であった場合は「帝王切開」での分娩になることが多いです。

・さかごをなおす方法として「さかご体操」「鍼灸治療」「外回転術」などがあります。

「さかご」は、どういう状態ですか?

通常は、赤ちゃんは子宮の中で頭が下の「頭位」という状態でいます。
それが逆さま、つまり頭が上でおしりが下の状態を「骨盤位」(さかご)といわれます。

「さかご」は、どういう影響がありますか?

通常の「頭位」のお産では赤ちゃんは「頭」→「肩」→「体」の順にでてきます。
一番大きい頭が最初に出てくることで、赤ちゃんが産道という通り道を通過する時間が短くなるようになっています。

いっぽう、「骨盤位」(さかご)のお産では赤ちゃんは「おしり」→「体」→「肩」→「頭」の順にでてきます。
一番大きい頭が最後に出てくることになるので、赤ちゃんが産道の最後の部分を通過する時間が長くなってしまいます。

また、赤ちゃんが出やすいように、助産師や産婦人科医師は分娩介助をしてうまくでてくるように誘導しますが、熟練の技術が必要で難しいです。

つまり「骨盤位」(さかご)では、

・分娩の赤ちゃんが出てくるところに時間がかかってしまうこと
・分娩時間がかかり赤ちゃんが具合悪くなる可能性があること
・途中から出てこなくなり分娩停止に可能性があること

があるため「帝王切開」での分娩をえらぶ医療施設が多いです。
なお、帝王切開の時期は妊娠38週あたりでおこなうことが多いです。

さかごはなおりますか?

妊婦健診で「さかご」と言われても、妊娠週数によっては自然に「頭位」になおることがあります。

とくに妊娠30週未満では自然にまわって、頭位にもどることが多いです。
赤ちゃんの体重が2000gを越えるあたり(おおよそ妊娠33週頃)になると、赤ちゃんが「さかご」のままでいることが多い印象を受けます。

さかごをなおす方法

基本的には、分娩時期には「さかご」は「頭位」に自然になおっていることが多いです。
効果は賛否両論あるところもありますが、さかごをなおすために出来ることがあります。

「さかご体操」「鍼灸治療」は赤ちゃんへの負担は少なく、比較的リスクが低い方法です。
「外回転術」は、赤ちゃんが具合が悪くなってしまう可能性があり、おこなう施設は限られています。

さかご体操
おおよそ妊娠30週を過ぎても、「さかご」であるときに「さかご体操」をおこないます。
「胸膝位」「ブリッジ法」をおこない、赤ちゃんの背中の向きによって左右いずれかを下にして横向きになって寝てもらいます。

鍼灸治療
みたことはないですが、鍼灸治療でなおす方法もあります。
経穴である「至陰」「三陰交」に「鍼」や「灸」をつかって刺激することによって、赤ちゃんへの血流に影響をおよぼし、赤ちゃんの動き(胎動)がふえて、「さかご」から「頭位」になおることにつながるようです。
また、母親側の血流改善効果もあり、「足のつり」「イライラ感」にも効果があるようです。

外回転術
母親のお腹の上から、赤ちゃんを押し上げたり、回転させることで、「さかご」から「頭位」になおす方法です。
この方法で、胎盤やへその緒にダメージが加わり、赤ちゃんの具合が悪くなってしまう可能性があります。
かならず緊急事態にそなえて、すぐに帝王切開術で赤ちゃんが救えるような環境をととのえてから「外回転術」をおこないます。
リスクがあるのと、おこなうには技術が必要であるため、実際に外回転術をおこなう医療施設は少ない印象を受けます。

さかごになりやすい人

「子宮筋腫」「双角子宮」など子宮のかたちに異常があったり、胎盤の位置がひくい「前置胎盤」や「低置胎盤」、骨盤がせまい「狭骨盤」などがあると、赤ちゃんのお部屋のかたちの関係で「さかご」になりやすいです。

また、「羊水量の異常」「へその緒の巻きつき」「へその緒が短い」などによって、「さかご」から「頭位」にもどりにくい状態になっていることもあります。

まとめ

通常は赤ちゃんは頭が下の状態の「頭位」です。
その逆の頭が上でおしりが下の状態を「骨盤位」(さかご)といいます。

自然に「頭位」になることが多いです。
しかし、分娩時期ちかくに「さかご」であった場合は、分娩時間がかかること、分娩停止の可能性などがあり、「帝王切開」での分娩になることが多いです。

さかごをなおす方法として「さかご体操」「鍼灸治療」「外回転術」などがあります。
「さかご体操」「鍼灸治療」は赤ちゃんへの負担は少なく、比較的リスクが低い方法です。
しかし、「外回転術」は赤ちゃんが具合が悪くなってしまう可能性があり、おこなう施設は少ないです。

妊娠中レントゲン検査をうけても大丈夫ですか?【妊娠と放射線】

妊娠中は、赤ちゃんのことも考えると、これは大丈夫なのか心配になることが多々あるかとおもいます。

ふだんは気にしないことでも、妊娠をするとがらっと変わります。
たとえば、「くすり」「たべもの」「アルコール」「カフェイン」などさまざまなことを気にするかとおもいます。

今回はそのうち「レントゲン検査」「CT検査」などで用いられる「放射線」の影響について説明していきたいとおもいます。

これらの検査が必要な状況、たとえば…

・虫歯になってしまい歯医者で歯のレントゲン検査が必要
・突然の腹痛で、虫垂炎のうたがいがありCT検査が必要
・転んでしまって足を痛めてしまった

などがあげられます。

突然、放射線を使用する検査をすることになった場合、赤ちゃんへの心配などあるかと思います。
 今回は、妊娠中の放射線の影響について説明していきたいと思います。

まとめ

・レントゲンやCT検査にかぎらず必要な検査はおこないます。

・放射線被曝による赤ちゃんへの影響は「被曝時期」と「被曝線量」によります。

・実際にはレントゲン検査は被曝線量が少ないためおこなうことが多いです。しかし、レントゲン検査を多く撮影する必要があったり、CT検査では被曝線量が多くなるため、利益と不利益を考慮して検査を行うか決めます。

必要のある検査はおこないます。

結論をいうと必要のある検査はおこないます。

基本的には、レントゲン検査に限らず必要のある検査は妊娠中でもおこないます。
母親の健康が赤ちゃんの健康につながるため、「母親健康の優先」が第一原則になります。

レントゲン検査に関していうと、1回の被曝線量は少ないため、赤ちゃんへの影響はほぼ無視出来うるのでおこなうことが多いです。
たとえば、歯科受診でのレントゲン写真や妊娠後期の骨盤レントゲン写真などでは被曝量は少なく、行われることが多いです。

ただし、レントゲン検査でも多くの回数撮影する必要があったり、CT検査などでは放射線被曝線量が多くなる可能性があります。
かならず主治医と相談して、利益と不利益を考慮して検査を行うか決めます。

放射線被曝による赤ちゃんへの影響

放射線の影響は「被曝時期」と「被曝線量」を確認します

受精後10日までの被曝では「胎児形態異常(赤ちゃんの臓器などの形の異常)」の上昇はないです。

受精後11日から妊娠10週までの被曝では、胎児形態異常を誘発する可能性がありますが、
「50mGy未満」の被曝線量では「胎児形態異常」は増えないです。

妊娠9週から妊娠26週での被爆では、「胎児中枢神経障害」を起こす可能性がありますが、
「100mGy未満」の被爆線量では「胎児中枢神経障害」は増えないです。

検査による被曝線量

レントゲン検査(単純撮影)に関していうと、1回の被曝線量は少ないため、赤ちゃんへの影響はほぼ無視出来うるのでおこなうことが多いです。

いっぽう、CT検査では放射線被曝線量が多くなります。
とくに赤ちゃんのいる腹部近くになるにつれて赤ちゃんへの被曝線量は増えます。

日常生活における被曝線量

われわれの見のまわりには、微量ながら自然からの放射線が存在しております。
日常生活をする中で、知らず知らずのうちに放射線をうけていることになります。

たとえば、「宇宙から」「空気中」「地面(大地)から」「食物」などの自然からの放射線を受けています。
場所にもよりますが、日本の自然放射線による年間平均線量は2.1mSvと言われています。

また航空機の移動で、東京からニューヨークまでの往復移動で0.11-0.16mSvの線量を被爆します。

自然界からの年間の被曝線量でいうと、レントゲン検査による被曝線量を越えることになります。逆に言うと、それだけレントゲン検査による被曝線量は少ないということになります。

※Sv(シーベルト)とGy(グレイ)は厳密には違いますが、ほぼ同じと考えて問題ないです。

まとめ

原則は母体の健康が第一優先であり、レントゲンやCT検査にかぎらず必要な検査はおこないます。

放射線被曝による赤ちゃんへの影響は「被曝時期」と「被曝線量」によります。

「胎児形態異常」「胎児中枢神経障害」を起こす可能性があります。

実際にはレントゲン検査は被曝線量が少ないためおこなうことが多いです。
しかし、レントゲン検査を多く撮影する必要があったり、CT検査では被曝線量が多くなるため、利益と不利益を考慮して検査を行うか決めます。

妊娠している場合は、かならず担当医師に妊娠している旨を伝えましょう。
そして、レントゲンやCT検査など放射線をつかう検査を行うべきかどうか相談しましょう。

妊娠中もコーヒーをのんでも良いですか?【妊娠とカフェイン】

妊娠中は少しでも赤ちゃんが良い環境で育つために、食事や飲み物など様々な制限があり、ストレスがたまりやすいかと思います。

カフェインもその中の一つと言えるでしょう。

・食後のコーヒーが習慣になっている人
・午後のコーヒーがないと眠くてしょうがない人
・喫茶店でコーヒーとともに作業をする人

など生活の中でコーヒーを大切にしている人もいるかとおもいます。

 今回は、妊娠中のコーヒーふくめカフェイン摂取について説明していきたいと思います。

妊娠中の安全なカフェイン摂取量

結論をいうと、妊娠中の安全なカフェイン摂取量はわかっていないです。

妊娠中のカフェイン摂取と妊娠経過や赤ちゃんへの影響に関する研究は、大規模なものは多くはないです。
カフェインなど赤ちゃんに害を及ぼしうる可能性に関する研究は、大規模で信頼性のおける方法でおこなうことは厳しいです。
「赤ちゃんに害を及ぼしうる可能性がある」という点で、やはり倫理的な問題があるのです。

つまり、妊婦さんにカフェインを摂取させる群とカフェインを摂取しない群での比較は倫理的な問題のためおこなうことができません。

そのかわりおこなわれるのが「観察研究」です。
これは、妊婦さんから妊娠中のカフェイン摂取量を聞いて、実際に生まれた赤ちゃんに関する情報を研究するものです。

・妊娠中のカフェイン摂取1日1500mg以上で「胎児形態異常」が増える
・妊娠中にコーヒー5杯以上のカフェイン摂取で、「流産」や「低出生体重児」が増える
・妊娠中のカフェイン摂取1日600mg以下では「流早産」「新生児死亡率」は上昇しない

などさまざまな報告があります。

しかも、カフェインの摂取量がふえると、「流産」「低出生体重児(生まれる赤ちゃんの体重が軽くなること)」の頻度が増えるという報告もあれば、関係ないという報告もあります。

繰り返しになりますが、具体的に何mg以下であれば安全だといえる値がはっきりとわかっていません。

ただし、 安全な摂取量は分かっていないですが、さまざまな報告から導き出された一応の目安となる量はあります。

・WHOでは、1日あたりコーヒー3-4杯まで
・オーストラリア・カナダ保健省では、1日あたり300mgまで
・イギリス食品基準庁では、1日あたり200mgまで

と妊婦のカフェイン摂取量が定められています。

妊婦のカフェイン摂取量は「1日あたり200-300mg以下」が一応の目安となります。
ただし、妊娠中の安全なカフェイン摂取量はわかっていないということは頭に入れておきましょう。

コーヒー以外にもカフェインをふくむ飲みものは多い

コーヒー以外にもカフェインをふくむ飲みものは実は多いです。

たとえば、ウーロン茶にもカフェインは含まれていますし、
玉露にいたってはコーヒーの2-3倍ものカフェインが含まれています。

また、のみもの以外にも、「チョコレート」、コーヒーをふくむ「アイス」「ゼリー」「ヨーグルト」などの食べものにもカフェインが含まれているので注意が必要です。

カフェイン摂取による赤ちゃんへの影響

妊娠中にカフェインを摂取すると、胎盤を通じて胎児に影響します。

とくに、カフェインによって母親のカテコラミンという物質が増えるため、「流産」や「低出生体重児(生まれる赤ちゃんの体重が軽くなること)」につながるといわれています。

賛否両論ありますが、妊娠中のカフェイン摂取による影響は、ほかにも「胎児形態異常(赤ちゃんの形の異常)」「早産」「新生児死亡率」があげられます。

繰り返しになりますが、具体的に何mg以下であれば安全だといえる値がはっきりとわかっていません。

妊婦のカフェイン摂取量は「1日あたり200-300mg以下」が一応の目安となりますが、妊娠中の安全なカフェイン摂取量はわかっていないということは頭に入れておきましょう。

実際の妊娠中のカフェイン摂取をどうすればいいかという話ですが…

もちろん、カフェイン摂取による赤ちゃんへの影響の不安がつよいのであれば、控えるのがいいでしょう。

ただし、今までカフェインをとるのが習慣になっているひとにとっては、カフェインをひかえることは強いストレスになるかと思います。

実際には、その「不安」と「ストレス」のバランスのなかで、カフェイン摂取を決めていくことになるかと思います。

また、ノンカフェインのコーヒーやお茶もありますので、とくに味など不満でなければ妊娠中はノンカフェインのものに変えてみるのもいいでしょう。

まとめ

 妊娠中のカフェインの安全な摂取量は分かっていないですが、
「1日あたり200-300mg以下」が一応の目安となります。

コーヒー以外にもカフェインをふくむ飲みものは多く、玉露にいたってはコーヒーの2-3倍ものカフェインが含まれているので注意が必要です。

妊娠中のカフェイン摂取によって、「流産」「低出生体重児」が増えるという報告や、賛否両論ありますが「胎児形態異常」「早産」「新生児死亡率」が増えると可能性が報告されています。

実際には、カフェイン摂取による赤ちゃんへの影響に関する「不安」とカフェインをひかえることへの「ストレス」のバランスのなかで、カフェインの摂取を決めていくことになるかと思います。

診察の着替えでは上着も脱いだ方がいいですか?【婦人科の診察】

婦人科を受診したときに、よくある質問で「着替え」に関するものが多いです。

診察の準備のために、着替えてもらうのですが、自分ひとりになったところで、着替えなくてはならないです。
そのため、はじめて診察をうける人は、どこまで着替えればいいのかわからないかと思います。

よく質問を受けるのが、「靴下は履いていて良いですか?」「上着は脱がなくて良いですか?」ということです。

なかなか恥ずかしくて、聞けないこともあるかと思います。

今回、婦人科の診察を受けるまえの「着替え」について説明していきたいとおもいます。

靴下は脱がなくていいですか?

基本的には、靴下は履いたままで大丈夫です。

ただし、足のむくみを確認するために、すねのあたりをみることがあります。
必要におうじて、脚に静脈瘤がないかどうか、脚が腫れていないかなど確認することもあります。
その場合には、指示をしますので大丈夫です。

上着は脱がなくていいですか?

基本的には上着はそのままで大丈夫です。

ただし、乳房の症状が気になる場合や、上半身の皮膚のできもの・かゆみ・発疹などを確認することもあります。
上半身の診察も必要な場合は、上着も脱いで頂くこともありますが、その場合には指示しますので大丈夫です。

かごにある布やバスタオルはどう使えばいいの?

患者さんの羞恥心に配慮して、布やバスタオルを準備してあります。
着替えがおわったあとに、布やバスタオルを腰まわりに巻くようにして使います。

「とくに気にしないよ」という人は使わなくても大丈夫です。

スタッフから説明があるかと思いますが、たまに布についているスリットを後ろにしなければいけないとか、診察台にすわるときには布やバスタオルをはずしてもらう場合などがあるので、確認しておきましょう。

なぜ診察室にカギをかけるのですか?

着替えや診察の最中に、間違って他の人が入ってこないように、診察室にカギをかけることが多いです。

医療機関によってルールはまちまちですが、患者さんご自身でカギをかけてもらう場所が多いです。
スタッフからの説明があるかと思いますが、診察室のカギは忘れずにかけましょう。

では、どこまで着替えればいいのですか?

ズボンやスカートを脱いで、下着も脱いでください。
他は基本的にはそのままで大丈夫です。

ちなみに、婦人科での診察は、「視診」「内診」「エコー」「腟鏡診」が基本になります。

視診
見て観察します。
陰部に何か病変がないか見ていきます。

内診
腟口から指を入れて、お腹からも押さえて、子宮や卵巣を挟み込むようにして診察します。
子宮・卵巣などが腫れてないか、動きは大丈夫かなど評価します。

エコー
腟口からエコーを入れて検査します。
子宮・卵巣など腫れていないか等を評価します。
腟口からの診察が困難な場合には肛門からエコーを入れることもあります。

腟鏡診
クスコという器械を腟内に入れて観察します。
子宮の入り口や、腟内を観察します。
また、必要があれば分泌物などを拭って採取して検査します。

「視診」「内診」「エコー」「腟鏡診」といった検査は、陰部を確認する必要があります。
着替えるときには、かならず下着まで脱いで準備してください。

どういった服装がいいですか?

結論をいうと、着替えやすい服装であれば何でも大丈夫です。

スカートでもズボンでも何でもいいですが、着替えやすい服装がのぞましいです。

たとえば、ワンピースや、タイトできつめなズボンなどは着替えるのに時間がかかるため、オススメしません。
着替えるのに時間がかかってしまうと、次の患者さんを待たせてしまうことになるので、着替えやすい服装で来ていただき、スムーズな着替えに協力していただければと思います。

まとめ

今回は、「着替え」に関することを説明しました。
この記事をみて、「着替え」に関する疑問が解消されましたか?

診察の準備のために着替えてもらうときに、自分ひとりになったところで、着替えなくてはならないので、どこまで着替えればいいのかわからないということが本当に多いです。

はじめての婦人科受診は「着替え」以外にもいろいろとわからないことが多いと思います。
そして、はじめての婦人科受診は、とても勇気がいることかと思います。

このサイトでわからないことが少しでも解消して、婦人科受診のハードルが下がってくれれば幸いです。

ピルをやめるべき状態 こんな症状に注意を!【ピルを安全につかうために】

くすりはリスクと昔からいわれているように、くすりには危険性もともないます。

ピルの「避妊」や「生理による症状をやわらげる」効果と、ピル使用にともなうリスクを天秤にかけて、ピルを使うどうかを判断します。

ピルをつかっているとき、こんな症状をみとめた場合・こんな検査結果が出た場合、リスクが高くなるのでピルを継続するかやめるか判断することになります。

今回、そうしたピルの服用をやめることを考える「症状」や「検査結果」などについて紹介していきます。

ピルの服用をやめることを考える症状

妊娠
「月経が来ない」「乳房が張る」「吐き気」などのつわりの症状をみとめる場合は、妊娠の可能性があります。
ピルは効果の高い避妊法ですが、100%ではないです。
ごくまれに、ピルを飲んでいても妊娠することがあります。

「月経が予定日になってもこない」「つわり、乳房のハル感じ」など妊娠をうたがう症状があれば、妊娠検査薬を使用して確認したり、産婦人科を受診しましょう。

なお、妊娠中はピルを使うことはできないので、妊娠が判明したらピルは中止します。

血栓症
血液のかたまりをつくることを血栓症といいます。
その血栓が血液のながれにのって、血管を詰まらせてしまうことを血栓塞栓症といいます。
全身に血管があり、血栓で詰まる血管の場所によって疾患の名称があります。
とくに各部位に血栓が詰まった場合の症状を確認しますが、頭文字をとって「ACHES」(エイクス)と呼ばれます。

下肢深部静脈血栓症
下肢の静脈に血栓が出来た場合を「下肢深部静脈血栓症」といいます。
「ふくらはぎの痛み」「ふくらはぎのむくみ」などの症状があれば疑われます。

肺血栓塞栓症
肺の血管に血栓が詰まってしまった場合を「肺血栓塞栓症」といいます。
「突然の胸痛」「呼吸困難」「喀血」(血液を吐いてしまうこと)などの症状があれば疑われます。

脳静脈血栓症
脳の静脈に血栓が出来た場合を「脳静脈血栓症」といいます。
「頭痛」「けいれん」「吐き気」「意識障害」などの症状があれば疑われます。

網膜動脈血栓症
目のひとみの奥の方にある網膜の動脈に血栓が出来た場合を「網膜動脈血栓症」といいます。
「視野の消失」「視野が二重にみえる」「まぶたの下垂」などの症状があれば疑われます。

冠動脈疾患
心臓を栄養している血管を冠動脈といいます。
この血管が詰まって十分な血流がなくなった場合を「心筋梗塞」、狭くなるもある程度の血流がある場合を「狭心症」といいます。
「胸の痛み」「胸の苦しさ」「左腕の痛み」「首の痛み」などの症状があれば疑われます。

脳血管障害(脳卒中)
脳の血管が詰まることを「脳梗塞」、脳の血管が破裂して出血することを「脳出血」といいます。これら脳の血管の病変をあわせて「脳血管障害」や「脳卒中」といいます。
「突然の激しい頭痛」「持続性の頭痛」「一時的に意識を失う」「片麻痺」「ことばのもつれ」「意識障害」などの症状があれば疑われます。

肝障害、うっ滞性黄疸
全身の皮膚が黄色になる「黄疸」(おうだん)、「全身がかゆい」「疲れやすい」「食欲が出ない」などの症状がそろうと、「肝障害」「うっ滞性黄疸」が疑われます。

婦人科がん
「原因不明の性器出血」をみとめる場合、子宮頸がんや子宮体がんなどの婦人科がんが疑われます。
とくにピルの休薬期間以外に性器出血をみとめる場合には、婦人科的な診察が必要です。

ピルの服用をやめることを考える検査結果など

ピルを服用しているときには、定期的に症状を確認したり、血液検査・血圧測定・体重測定などの検査をして大丈夫なのかどうか確認しています。

その中で、ピルの服用をやめることを考える検査結果などを説明していきます。

血圧の上昇
「上の血圧(収縮期血圧)が160mmHg以上、下の血圧(拡張期血圧)が100mmHg以上」の重度の高血圧の場合は、ピルを使用できません。

体重の急激な増加
ピルの使用と体重増加には因果関係はないとされています。
ただし、急激に体重が増加した場合は、腎障害によるむくみ、血栓症にともなうむくみなど考えられます。診察を受けるとともに、ピルの服用をやめるか考えなければいけません。
なお、BMI30以上の場合は、ピルの慎重内服が必要です。

乳房腫瘤の出現
乳房にしこりがある場合は、ピルの慎重投与が必要です。
また、乳がんにかかっている人はピルを使用できません。
しかし、乳がんにかかったことがある人はピルを使用することはできますが、ピルの慎重投与が必要です。

子宮の増大
ピルにふくまれる女性ホルモンによって子宮筋腫が大きくなり、子宮が増大していくことがあります。
子宮が増大する場合には、婦人科的な診察を受けましょう。

婦人科がん検査の異常
「子宮頸がん」「子宮体がん」などの可能性がある場合には、その治療を優先します。
診断の確定と、治療を優先していきましょう。

血液凝固系検査の異常
血液のかたまりやすくなっている場合、ピルの使用によって血のかたまりである血栓ができる可能性があります。
血液凝固系検査の異常があった場合は血栓症がないか検査します。

肝機能の悪化
くすり全般的にいえることですが、肝臓で解毒されるため、肝臓に負荷がかかります。
ピルの服用によって、肝臓に負荷がかかり、肝臓の障害を受けている可能性があります。

高度貧血の出現
基本的にはピルを使用すると、生理の量がすくなくなり貧血が改善する効果もあります。
高度貧血が出現する状況がおこる場合には、診察をうけて原因を検索してもらいましょう。

血中コレステロールの上昇
ピルを使用しているときに、血中コレステロールも気にしておく必要があります。
脂質代謝異常症があると、ピルの慎重投与が必要です。

まとめ

くすりはリスクと昔からいわれているように、くすりには危険性もともないます。
とくに血栓症は命をおとす可能性があるピルの副作用なので、注意が必要です。

今あげたような症状をみとめた場合や、検査結果が出た場合はリスクが高くなるので、主治医とピルを継続するかやめるかどうかしっかりと相談しましょう。

生理が来なくなりました、どうすればいいですか?【続発性無月経】

まずは、今までに生理があったかどうか確認します。

今まで生理が規則的にきていたが、今回生理の予定日になっても生理が来ないで無月経になった場合は「続発性無月経」といわれます。

もし、今までに1回も生理がない状態であれば「原発性無月経」といわれます。

今回は「生理が来なくなりました」という訴えなので、今まで生理がきていたが、生理が来なくなった「続発性無月経」のことにあたるかとおもいます。

「原発性無月経」と「続発性無月経」ではアプローチや原因疾患が異なってきます。

今回は「続発性無月経」について説明していきたいと思います。

まとめ

今まで生理が来ていて、生理が来なくなった場合を「続発性無月経」といいます。
「続発性無月経」の場合、
①情報を確認する
②検査をする
③治療をする

という順番で診療をすすめていきます。

①情報を確認する

生理の状況を確認する
繰り返しになりますが、今までに生理があったかどうか確認します。
「原発性無月経」と「続発性無月経」ではアプローチや原因疾患が異なってきますので、しっかりと確認します。
また、生理があった場合も、普段から不規則であったかどうか、普段から生理の期間が長さなどを確認します。

また、今回生理が来ない期間を確認します。
「3か月以上生理がない状態」を無月経といいますが、本当に無月経かどうかを確認します。

体調の変化を確認する
「エストロゲン」や「プロゲステロン」というホルモンが規則的に分泌されることによって、子宮内膜が厚くなり、それが剥がれて、月経血が流れてきて生理が規則的におこります。
「エストロゲン」や「プロゲステロン」は脳から分泌されるホルモンによって調整されています。
脳にストレスがかかると、「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌は不規則になってしまい、生理がみだれてしまったり、無月経となることがあります。
引っ越し・職場の変化・身内の不幸などストレスとなりうる「環境の変化」がないかどうか確認します。とくに季節の変わりめは、気温の急激な変化によって知らず知らずのうちに脳にストレスがかかり、生理が乱れることが多いです。

くすりが原因で無月経となる可能性があり、最近はじめた薬がないかどうか確認します。
また、体重の急激な変化がないかどうかなど確認します。

症状を確認する
からだの変化や症状がないかどうか確認します。
たとえば、妊娠していないのに「乳汁」がでる場合は「高プロラクチン血症」が考えられます。
男性のように、毛深くなったり、にきびが増えたりした場合は、「アンドロゲン」という男性ホルモンが増えている可能性があります。

②検査をする

妊娠検査
もちろん、妊娠をすると生理は来ないです。
まずは、妊娠検査をして妊娠かどうか確認することからはじまります。
自然に生理がこなくなることを「生理的無月経」といいます。

「妊娠」以外にも「産後」「授乳中」「閉経後」「初経前」は生理が来ません。
なお、18歳になっても生理が来ない場合は「原発性無月経」にあたります。

エコー検査
エコーで、子宮内膜の厚さや子宮や卵巣が腫れていないか確認します。
「月経血が外にながれるのを妨げる病変がないかどうか」
「子宮内膜が厚くなっているかどうか」
「妊娠の可能性がないかどうか」
「多嚢胞性卵巣がないかどうか」
「卵巣が腫れていないかどうか」
(卵巣が腫れている場合、ホルモン産生腫瘍の可能性があり、生理が妨げられることがあります)

などを確認します。

ホルモン検査
「エストロゲン」や「プロゲステロン」というホルモンが規則的に分泌されることによって、生理は規則的におこります。
「エストロゲン」や「プロゲステロン」というホルモンの値を検査するとともに、「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌を調整している脳から分泌されるホルモンである「LH」「FSH」などのホルモンの値を確認します。
また、乳汁を分泌し無月経の原因となる「プロラクチン」、男性ホルモンである「アンドロゲン」、「甲状腺ホルモン」などの値もしらべます。

③治療をする

診断的治療をする
あきらかな原因がわからない続発性無月経の場合は、診断的治療として「プロゲステロン」のくすりを使います。
このくすりを使って、生理がくるようであれば「1度無月経」と診断されます。
生理がくるようであれば、これが治療ということにもなります。

もし、「プロゲステロン」のくすりで生理が来ないようであれば、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つのホルモンのくすりを使います。
それによって、生理がくるようであれば「2度無月経」と診断されます。

もし、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つのホルモンのくすりを使っても生理が来ないのであれば、「子宮性無月経」と診断されます。

原因に応じた治療をする
検査結果が判明したら、原因に応じた治療をおこないます。

「高プロラクチン血症」は、プロラクチンを低下させるくすりを使用します。
また、プロラクチンを上げる副作用のあるくすりも知られており、そのくすりを飲んでいる場合には中止することを検討します。
脳にプロラクチンを産生する腫瘍ができることがあって、手術を要する場合もあります。

「多嚢胞性卵巣症候群」は、妊娠希望があれば排卵誘発剤などのくすりを使用します。
また、糖尿病のくすりを使うことや、排卵をうながすための手術をすることがあります。

「1度無月経」や「2度無月経」では妊娠を希望しない場合は、「プロゲステロン」単独の周期投与(ホルムストローム療法とよばれます)、または「エストロゲン」と「プロゲステロン」の周期投与(カウフマン療法とよばれます)をおこないます。

妊娠を希望する場合
妊娠を希望する場合には、排卵誘発剤などを使用して妊娠をめざします。
排卵誘発剤は、クロミフェンなど内服薬や、hCG・hMGなどのホルモン注射を使用するゴナドトロピン療法などおこないます。

まとめ

今まで生理が来ていて、生理が来なくなった場合を「続発性無月経」といいます。
3か月以上生理がない状態を無月経といいます。

「続発性無月経」の場合、

①情報を確認する
②検査をする
③治療をする

という順番で診療をすすめていきます。

ピルをつかうとき注意が必要なひとがいます【ピルの慎重投与】

「避妊」や「生理による症状をやわらげる」ためにピルをつかいたいひとがいるかと思います。

ピルを使いはじめる場合、自分がピルを安全につかえるかどうか確認する必要があります。
ピルを処方される前に必ず問診票を書いたり、いろいろと質問されるとおもいます。

ピルによる副作用がおこりやすい、またその副作用が重篤なものになる可能性がある場合には、ピルはつかえない場合や、ピルをつかえるが注意が必要な場合があります。

ピルを安全に使用するためのガイドラインである「OC・LEPガイドライン2015年版」に準じて説明していきたとおもいます。

今回、ピルをつかってはいけない場合ではないけど注意が必要である、つまり「ピルの慎重投与」について説明していきたいとおもいます。

年齢

40歳以上
心筋梗塞などの心臓や血管の疾患リスクが高くなり、ピルをつかうと助長する可能性がありピルの慎重投与が必要です。

喫煙

心筋梗塞などの心臓や血管の疾患リスクが高くなります。喫煙をしている人がピルを使用すると、助長する可能性がありピルの慎重投与が必要です。

なお、年齢が「35歳以上」で「1日15本以上」の喫煙をしている場合はリスクが非常に高くなるため、ピルを使用することはできません。

肥満

血栓症などの心臓や血管の疾患リスクが高くなります。
とくにBMI30以上の場合、ピルをつかうと助長する可能性がありピルの慎重投与が必要です。

血縁に疾患があるひと

乳がん
ピルに含まれる女性ホルモンによって乳がん発生する可能性があります。
血縁者に乳がんがいるひとは、定期的に乳がん検診をおこなうなどしながら慎重にピルを投与することが必要です。

血栓症
血栓症などの心臓や血管の疾患リスクが高くなる可能性があります。
血縁者に血栓症がいるひとは、ピルの慎重投与が必要です。

片頭痛
ピルをつかうと脳血管障害リスクが高くなるため、「前兆をともなわない片頭痛」の場合はピルの慎重投与が必要です。
「前兆をともなう片頭痛」の場合は、ピルをつかえません。

乳がん(にかかったことがあり5年以上再発のない人)
ピルに含まれる女性ホルモンによって乳がんの悪化や再発をうながす可能性があります。
乳がんにかかったことがあり5年以上再発のない人は、ピルの慎重投与が必要です。
なお、乳がんにかかっているひとは、ピルをつかえません。

乳房にしこりがあるひと
ピルに含まれる女性ホルモンによって乳がん発生する可能性があります。
定期的に乳がん検診をおこなうなどしながら慎重にピルを投与することが必要です。

表在性血栓性静脈炎
ピルをつかうと症状が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

合併症のない心臓弁膜症
ピルを使用すると、血栓症などの心臓や血管の疾患リスクが高くなります。
合併症のない心臓弁膜症では、ピルの慎重投与が必要です。
なお、「肺高血圧症」または「心房細動」を合併する場合、「亜急性細菌性心内膜炎」にかかったことのある心臓弁膜症のひとは、ピルを使用できません。

軽度の高血圧
ピルを使用すると、血栓症などの心臓や血管の疾患リスクが高くなります。
とくに「上の血圧(収縮期血圧)が140-159mmHg」「下の血圧(拡張期血圧)が90-99mmHg」の軽度の高血圧では、ピルの慎重投与が必要です。

軽度の糖尿病
ピルを使用すると、血栓症などの心臓や血管の疾患リスクが高くなります。
合併症をともなわない軽度の糖尿病の場合は、糖尿病が悪化する可能性があるため、十分血糖をコントロールしながら、ピルを使用する必要があります。

ポルフィリン症
ピルをつかうと症状が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

肝疾患
肝障害、肝腫瘍、胆石症などある人は、肝臓の代謝機能が低下しているため、これらの疾患を悪化させてしまう可能性があります。
また、ピルの使用によって症状が悪化することがあるため、ピルの慎重投与が必要です

てんかん
ピルをつかうと症状が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

テタニー
ピルをつかうと症状が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

心臓・腎臓疾患
心臓疾患、腎臓疾患にかかっている、または、これらにかかったことのあるひとに関してです。
ピルをつかうと、体液の量がふえて心臓や腎臓に負荷がかかり症状が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

脂質代謝異常症
ピルを使用すると、血栓症などの心臓や血管の疾患リスクが高くなる可能性があります。
また、ピルをつかうと病状が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)
ピルを使用すると血栓症のリスクが高くなる可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

子宮頸部異形成・子宮頸がん
ピルを使用すると腫瘍が悪化する可能性があるため、ピルの慎重投与が必要です。

治療を要する子宮筋腫
ピルにふくまれる女性ホルモンによって子宮筋腫が悪化することがあり、ピルの慎重投与が必要です。

まとめ

ピルを使いはじめる場合、自分がピルを安全につかえるかどうか確認する必要があります。

問診票を書いたり、いろいろと質問うけるのは面倒だとおもいますが、答えるようおねがいします。

くすりはリスクといわれますが、しっかりとリスクをマネジメントすることが大切です。

事前に問診票などで確認することで、ピルを安全に使用することができます。

そして、ふだんから自分の「かかっている疾患」や「かかったことのある疾患」を十分把握することが、ピルを使い始めるときだけなく役に立ちます。

ぜひとも自分自身のからだについて理解をしておきましょう。