妊娠中はいつ何時何が起こってもおかしくない状態です。急に出血して、病院受診したら、その日のうちにそのまま入院して、すぐに帝王切開を行う…という場合もあります。
予定日が近くなると心の準備をしていくことが多いと思います。しかし、予定日近くにならなくても、何が起こるかわからないので、妊娠したら知っておくことが沢山あります。
急に帝王切開となった場合、たいてい手術の説明など頭に入ってこないことが多いです。今回、そういった場面に備えたことも含めて、帝王切開の手術で何が行われているのかを中心に説明していきたいと思います。
まとめ
・妊娠中は何が起きてもおかしくない。
・美容面で腹部ヨコ切開が選択されることが最近では多い。
・帝王切開術後は、次回妊娠に関して注意する点がある。
帝王切開の手順
まずはお腹を切開して開腹します。子宮を切開して、児を娩出します。次に、胎盤・臍帯(へその緒)など胎児付属物と呼ばれるものを娩出します。その後は、切開した子宮を縫合します。
お腹の中を観察して、血腫という血の塊があれば除去したり、出血があれば止血したりします。お腹の中が大丈夫であれば、お腹の切開した部分を縫合して、閉腹して終了します。
腹部切開法
お腹の切開方法は主にヨコ切開とタテ切開があります。
ヨコ切開であれば、キズは下着のラインに隠れて目立ちにくいのと、キズ自体がよりキレイに治っていきます。しかし、操作が少しだけ煩雑であり、児の娩出までに時間がかかってしまいます。
なので、児が具合悪く少しでも早く出さなければならない緊急事態の場合は、タテ切開を選択することが多いです。
緊急時以外は、美容面からヨコ切開を選択することが多いです。
帝王切開術後の注意点
帝王切開では子宮に手術操作が及んでいます。その創部が十分治るのに時間がかかります。十分に治る前に妊娠してしまった場合は、その創部が裂けて子宮破裂が起こることがあります。
次の子供を考えているのであれば、1年以上の避妊期間を設けてから、子供作りするよう勧めています。
また、次回以降の分娩形式は、陣痛が来た場合に子宮破裂するリスクがあるため、基本的には帝王切開になります。
ただし、医療施設によっては、経腟分娩をする場所もあります。ちなみに、帝王切開術後の経腟分娩を試みることをTOLAC、帝王切開術後の経腟分娩をVBACと言います。子宮破裂など何か急変が起こった場合に迅速に対応可能でないと、最悪母児ともに死亡することもあります。経腟分娩を希望される場合は、対応可能な医療施設を探すとともに、しっかりとリスクを認知しておくことが重要です。
まとめ
妊娠中は何が起きてもおかしくないので、事前に様々な情報を知っておくことが大事です。とくに急に帝王切開になった場合に備えて、今回帝王切開について説明しました。
腹部切開法は美容面で腹部ヨコ切開が選択されることが最近では多いです。
帝王切開術後は、次回妊娠希望の場合は1年以上の避妊が必要です。次回の分娩形式は基本的には帝王切開となります。